10月16日(木) 20:00より背中家腰楽の落語講座がございます。
先月の演目は「今戸の狐」、いっぱいのお運びありがとうございました。
このお話では、会話の中で使われる言葉が音は同じでも意味が違うことから、
誤解が次から次へと生まれていきます。
「(お金を)こしらえる」と言っているのを
「(今戸焼の狐を)こしらえる」ととらえてしまうという具合。
ところが不思議と会話そのものは成立しており、
お互い勘違いに気が付かないまま、どんどんお話が進んでいきます。
わかっているのは観客だけという、
落語「付き馬」の終盤のやり取りとよく似たところがあります。
暢気で楽しいのでワタクシも大好きなお話。
ただこの落語は皆様の前でやる上で、
「符牒」という、いわゆる業界専門用語についての説明が必要不可欠。
ここはどうしても省くことが出来ません。
こういう「説明」が冗長にならずに、逆にお話に入り込めるようにする工夫は、
時代によって更新し続けねばならないところです。
予備知識のない方は置いてけぼりにされてしまいます。
「伝わらなくても良いんだよ」
or
「きっちりやれば伝わるはず」
と威勢の良いこと言ったところで、
その一回で見限られたらオシマイなわけで。
より楽しんで頂くためのアップデートは欠かさないようにしたいものです。
今回は講座終了後に、お話の中で取り上げられる
江戸時代の博打「きつね」をお楽しみイベントとして行いました。
博打「きつね」のルール
『親は三つのサイコロを入れた壺皿(カップ)を伏せます。子は1から6の目に賭けます。
三つのサイコロの内、賭けた目と一つ合っていた場合、二つ合っていた場合、
三つ合っていた場合、で配当が違ってきます。
もちろん合っていた目が多いほど多くなります。
例えば「2」に賭けて目が「2・2・2」だった場合は、賭けた元金+4倍の金額がもらえます。』
金張り銀張りと豪華に(チョコレートですが…)。
大変な盛り上がりをみせまして、皆様にお楽しみ頂けたようです。
この手の遊びをするときに注意すべきことは、それを目的とした会費を徴収しないことと、
景品を主催者がすべて用意することでしょうか。
とにかく町内会のビンゴゲームと同じレベルに持っていくことです。
(解釈の仕方によっては違法性を問うことも可能でしょうが、)
誰かが損をする仕組みにしなけばよっぽど後ろに手が回ることはないかと。
念のため。
さて、今月の講座は、随所にちりばめられたクスグリも面白く、
登場人物がみな正直で気持ちが良い、とされております落語。
これだけでわかる人にはタイトルがわかってしまいますね。
背中家腰楽の落語講座では
「落語はちょっとむずかしそうで…」という方も、
「あらかた知っているよ」という方も、
よりお楽しみ頂けるように
レジュメ、プレゼンテーション付きの落語をやらせて頂いております。
この記事を書いた人
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岡崎北高等学校卒。 兵庫県立姫路工業大学理学部生命科学科を経て、 平成7年落語家、古今亭志ん朝に入門。 古今亭志ん一と命名される。 無痛整体創始者のもとで7年間修行後、平成16年愛知県岡崎市にて「杉田整体院」を開院。 背中家腰楽として、 落語と健康の講座も開催中。
ブログ『だいたい医療、ときどき落語』
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