『部屋とワイシャツと姦通罪』の巻
代助と三千代の関係は、現代の言葉で言うと、不倫と呼ばれるものかもしれません。
ただ、二人の関係の深さは書かれていないため、不倫だ、浮気だ、と言い切れるかどうかは微妙なところ。
ちなみに当時、既婚者が配偶者以外と関係を持つことは、姦通と呼ばれ、れっきとした犯罪行為であり、昭和22年まで禁じる法律が存在しました。
でも、不公平なことにこの罪は、夫のいる妻が浮気をした場合にのみ適用されるというもの。既婚男性が他に女性を作ろうと、オトガメがありませんでした。
いずれにせよ、法律で禁止されているということからも、代助の行動は現代の感覚とは重さが全く異なることは間違いないようですし、
『それから』の続編とされる『門』では、友人の妻を奪って結婚した主人公が、罪の意識に悩む姿が描かれています。
ちなみに、漱石の友人である俳句界の超大物 高浜虚子は、自分の友人が入院中にその恋人を奪って結婚しちゃった、という話があるそうです。 もしかしたらそのことがモデルになってるのかもしれません。
しかし、仮にそうだとすると、浮気が違法だった時代に、友人の略奪愛を小説に書いちゃうなんて、明治の文壇はなかなかフトコロが深いと言うか、結構フリースタイルというか、アナーキー過ぎじゃね?という気もします。
-11月度スロース読書会-
日時:11/29(金) 20:30~(11月度は第5週目の開催となります!!)
会場:喫茶スロース二階 ナマケモノ大学(蒲郡駅北口すぐ)
参加費:1000円(1ドリンク付)
課題図書:夏目漱石『それから』
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