『タモリ論』にまつわるエトセトラ④ 10/25 20:30〜開催 喫茶スロース読者会

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『タモリ論』にまつわるエトセトラ④ 10/25 20:30〜開催 喫茶スロース読者会

タモリ論の著者である樋口毅宏氏は1971年生まれ。エロ本などの編集者を経て作家としてデビュー。
音楽、映画、お笑いなど、サブカルチャーへの造詣が深く、その知識を活かして、と言うか、それらを思いっきりそのまま作中に反映させるような手法が特徴です。

こうした、あからさまな元ネタからの再構築という手法は、おそらく樋口氏が強く意識しているであろうポップミュージックの世界においては、ニューヨークでヒップホップが発明され、日本の電機メーカによって安価なサンプリングマシーンが開発された80年代以降、全世界へ急速に広まりました。

そしてその元ネタ文化が、世界で最も大きく花開いた場所の一つが、90年代の東京、渋谷であり、若き日の樋口氏にも大きな影響を与えていると思われます。

ピチカートファイブ、フリッパーズギター、オリジナルラブと言ったビッグネームから、ヴィーナスペーター、エルマロ、ラブタンバリンズといった、今では懐かしい名前まで、世界一の密集度と言われた大小様々なレコード店の棚からひとつかみしてきたような、趣味性の高いバンドが商業的にも成功し、女子高生が普通に12インチレコードを持って街を歩くという、CDすら売れなくなった現代からは想像できない時代でした。

その後、ピチカートファイブは解散、オリジナルラブは一人ぼっちに、小沢健二は社会活動家になったと噂される中で、渋谷のレコード店もほとんど姿を消していきました。
それと歩調を合わせるように、サンプリング的な手法も徐々に勢いを失い、あれだけみんなが必死に探した『元ネタ』という言葉もあまり聞かれなくなりました。

でも、このちょっと時代遅れで、しかも鼻につく『元ネタ』をちりばめる手法を2010年代においても確信犯的に守り続けているのが樋口氏の作風であり、また、そうすることで自分の青春期に仁義を通すことが、作家としての矜恃なのかもしれません。

 

あの時代を象徴する渋谷系クラシックスの元ネタ。


この記事を書いた人

ドリーミー刑事
ドリーミー刑事喫茶スロース読書会広報係Twitter:@slothcoffeebook
ドリーミー刑事(会社員)
スロース読書会の常連。
日々、古今東西の素敵でキャッチーな音楽を追い求める夢見みがちなおっさん。B型。犬が好き。

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